
ブリュワーインタビュー - パワーアップしたヘイジームーンIPA、こだわりの秘訣とは
2020年3月に発売し、大好評をいただいた「ヘイジームーンIPA」がパワーアップして期間限定で復刻。
その味の特徴やこだわりの製法について、木内酒造合資会社 額田醸造所 醸造士 宮田 輝彦氏にお話を伺いました。
何杯でも・何度でも飲みたくなるヘイジースタイル
──新しいヘイジームーンIPAは、どういった味に仕上がりましたか?
宮田氏:今回のヘイジームーンIPAは、マスカットやブラッドオレンジを思わせるジューシーな味わいが特徴です。また、テクスチャーも面白いですね。他のヘイジースタイルに比べてドロドロしすぎない、ちょうどよい滑らかな口当たりになりました。
──ビール愛好家の間で人気のヘイジースタイルですが、ヘイジームーンIPAならではの魅力について教えてください。
宮田氏:そうですね、他のヘイジースタイルは、香り、フレーバーなどの全てにおいて強い傾向ですが、ヘイジームーンIPAは程よいバランスにより飲み疲れしない、何杯でも・何度でも飲みたい味に仕上げることができました。
──そういった味に仕上げるため、どのようなことにこだわりましたか?
宮田氏:原材料に「生の小麦」を使用したのが大きなポイントですね。スッキリさやなめらかさを生み出してくれる材料なのですが、特別な機械を使って処理をしないといけないので日本のブリュワリーではなかなか扱えないところも多いんです。
──ヘイジーIPAなのにスッキリしているのは、生の小麦を使っているからなんですね。ジューシーな味わいはどのようにして生まれるのでしょうか?
宮田氏:新しい品種のホップを使ったことで、マスカットや爽やかなシトラスのようなジューシーな味わいになりました。ホップの香りを多くつけるため、ギリギリまでホップを取り除かないような製法をとっています。
──ずばり、一番気にかけている工程を教えてください。
宮田氏:気にかけている工程は全てです。具体的には、でんぷんが糖に変わるところや、発酵温度ですね。最後は微生物に任せて毎日お祈りしています(笑)。
ヘイジームーンIPAをもっと美味しく愉しむには
──どういった料理とのペアリングを愉しんでもらいたいですか?
宮田氏:ヘイジームーンIPAは、柑橘系が入った料理によく合います。例えばグレープフルーツが入っているサラダや、レモンを絞る料理もいいですね。果汁を感じさせる料理と相性がいいです。他にも小麦を使っている料理や、スパイシーなエスニック料理・中華と一緒に飲んでも美味しいですよ。
──美味しく飲むためのコツはありますか?
宮田氏:温度は8〜10度ぐらいがベストですね。喉越しの良さを感じたいのなら冷ための温度、より香りを愉しみたいときは常温で飲まれてもいいでしょう。あとは、冷蔵庫に2日程度入れておいて落ち着かせて飲むと美味しくなりますよ。
──クリスタルIPAとの飲み比べセットも販売しますが、どちらから飲んだ方がいいでしょうか?
宮田氏:飲み比べをする場合は、クリスタルIPAから飲まれることをお薦めします。スッキリとしたクリスタルIPAを愉しまれたあと、味が強いヘイジームーンIPAを飲まれると味の違いが分かりやすくなります。
──宮田さん、ありがとうございました!
木内酒造合資会社 額田醸造所 醸造士
宮田 輝彦(みやた てるひこ)
1979年生まれ。2008年、 常陸野ネストビールを製造する木内酒造合資会社に入社。主にビールの 醸造に従事。