
宮崎県産の日向夏をフルーツビールに!「日向夏IPL」ってどんな味?
日向夏という宮崎特産の柑橘が贅沢に使用された香り高いラガー「日向夏IPL」。今回は美味しさの秘訣やこだわりを、共同開発元である宮崎ひでじビール株式会社の金井さんと森さんに伺います。
日向夏が引き立つシトラス系ホップ
日向夏IPLを作る際のこだわりについて教えてください。
まず「緑の里りょうくん」という、非常に質の高い柑橘を作る生産者さんの日向夏をふんだんに使っていることですね。日向夏という柑橘が持つ特徴を、最大限に出せるようなボディ感とキレ具合を意識しました。なおかつ日向夏の香りとバランスの相乗効果を狙って、アメリカ産の香りの強いホップを採用しています。
グラスに鼻を近づけただけで一気に感じとれるほどの爽快な香りに仕上がりました。さらに隠し味として、柑橘とは違うトロピカル系のホップも使って、独特な味わいを演出しました。
具体的にどんなホップを使用しているのでしょう?
去年の「日向夏セゾン」にはアメリカ産のエクアノットというホップを採用しました。フレッシュなシトラス系です。今回はシトラという非常に人気の高いホップを採用しました。名前の通りエクアノットに比べるとシトラス感が強いので、よりラガー向きのホップです。また、隠し味に採用したのはシムコーというホップです。こちらは夏を感じさせるトロピカル系のホップですね。
隠し味にトロピカル系のホップをプラス
なぜ、隠し味としてトロピカル系のホップを採用したのでしょう?
「りょうくん」の日向夏は味が濃いめでふくよかな甘みも感じられます。なので果汁にもギュッとボディがある濃厚な味わいが生まれるんです。
その味に負けないホップ感を目指してトロピカル系のホップを採用しました。ただ、苦味が強すぎるとドリンカビリティに欠けてしまうので、苦味をそこまで強くしないことも意識しましたね。
そうですね。苦味が強いと日向夏が苦い果物だと思われてしまうので。日向夏のPRのためにも苦味は抑えつつ、ホップの香りがガツンとくるバランス感を心がけました。
今回、最も試行錯誤したところはどこですか?
一番は日向夏のキャラクターを殺さないためのホップ調整でしょうか。シトラは入れすぎると苦みが強く出てしまいやすいんです。でも量を入れないと香りが出ないので、日向夏との相性を考えて、投入するタイミングも量もベストなところに落とし込むのが難しかったですね。
フルーツ感とビールらしさのバランスが理想的
今回の日向夏IPLと御社の他のビールとの違いは?
贅沢に日向夏を使っているので、より強く日向夏を感じられると思います。実はライトボディなIPLスタイルは、ひでじビールとしては珍しいんですね。お客様にもそこを楽しんでいただけたら。
そうですね。フルーツビールとしてのキャラクターとドリンカビリティのバランスがすごく良い。すごく優秀なビールに仕上がったと思います。
ひでじビールが人気なのは、そのバランスの秀逸さにあるんですね。
そう言ってもらえると嬉しいですね。イベントでお客様と接すると、「フルーツビールって甘いカクテルみたいなお酒なんでしょ?」って言われるんですけど。実は飲んでみるとフルーツ感もあるけれど、ビールとしての飲みごたえがきちんとあって喜ばれることが多いんです。
今回の「日向夏IPL」も、フルーツ感とビールらしさの融合という、理想のバランスがきちんと反映されたビールになりました。ぜひ、たくさんの方に楽しんでいただきたいですね。
宮崎ひでじビール株式会社
九州・宮崎でクラフトビールの製造・販売を行っているブリュワリー。国際的な金賞を数多く獲得している。特に「九州から世界へ」という熱い思いで宮崎産の原料を取り入れた「九州CRAFT」シリーズが大人気。